小説を書いたり、酒を飲んだり、恋をしたり|岡部えつ


by etsu_okabe

運命の人。

 赤い糸、なんて言うと少女趣味的過ぎてわたしらしくないのだが、でも、人には必ず唯一無二の相手がどこかにいて、その人とはやはり運命の力が働いて出会うものではないかしら、と小さな頃から思っていた。
 で、しばらく恋ができないでいたとき、ふと考えたのだ。
「わたしのご先祖さまたちのカップルが、ちょびっとづつ出会うのが遅れて、わたしの結ばれるべき相手のご先祖さまたちが、ちょびっとづつ早めに出会ってしまっていたら......ひょっとして、あたしの唯一無二の相手って、幕末頃に生まれてもう死んじゃってんじゃないのー!」

 全くバカバカしいとは思うが、わたしはこの自分の発想がけっこう気に入っていて、今でもミュージアムで古い展示物を見たりすると、
「あ、あたしのダーリン、ここにいたのかも」
 などと、ロマンチックな妄想に耽ったりしている。

 しかしそう考えると、たかだか7、80年の人生で、同時代に生きて出会ったというだけで、奇跡のような気がしてくるではないか。
「よくぞわたしの生きている期間に、生まれて生きてくれたね!」
 と、目の前のあの人この人、赤ん坊からおじいちゃんまで、みんなに抱きつきたくなるではないか!
 なりませんか?
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by etsu_okabe | 2004-11-07 03:44 | 日々のこと/エッセー