小説を書いたり、酒を飲んだり、恋をしたり|岡部えつ


by etsu_okabe

予知、夢?

 明け方、天井の方からゴォォォという音がするのに気づいて目覚めた。しょっちゅう泊まっている妹夫婦のマンションの部屋だった。
 嫌な予感にベッドから起き、西向きの部屋の窓を開けると、5階から見えるまだ薄暗い風景は、白黒写真のように静止している。轟音はどんどん近づいてくる。わたしはベランダに出た。
 そこへわたしの背後、つまり東の方から灰色の煙が一直線に頭上を通り、シューッと西の方へ延びて、落ちた。
 ズズズズゥゥゥゥン
 地響きがしたその瞬間、着弾した方角から鉛色の粘着質っぽい煙が、ものすごいスピードでこちらに向かってきた。
「爆弾が落っこちたんだ」
 ベランダの手すりにもたれながら、わたしは茫然としている。煙はもう目前に迫り、逃げ切れないことは明らかだった。
 爆風に巻き込まれる瞬間、意識を失うと同時に、目が覚めた。

 わたしはある一時期、たて続けに予知夢を見たことがある。
 内容は大したことではなくて、普段話題にも上らない遠方の親戚や、すっかり疎遠になっている知人の夢を見て、なんでだろうと首をひねっていると翌日その人から電話がかかってくる、というものだ。
 半年くらいの間に数回、集中してそういう夢を見て、気味が悪くなった頃、ぱたりとなくなった。

 実を言うと、爆弾の夢を見た少し前、気になる夢を見た。友人がとても悲しそうな顔でわたしを見ている、という夢だった。
 胸騒ぎがして翌日彼の顔を見に行くと、何も問題は起きておらず、身体もぴんぴんしている。ほっとして帰ったその晩、彼は財布をなくしてしまった。

 本人はそれほどヘコんでいなかったが、もしこれが予知夢だとしたら、またしばらくの間集中して見るのだろうか。
 とすると、あの爆弾は......。

(東の方から飛んできたっていうのが、とても気になってます)
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by etsu_okabe | 2004-11-10 01:39 | 日々のこと/エッセー