小説を書いたり、酒を飲んだり、恋をしたり|岡部えつ


by etsu_okabe

究極の愛

 神経の図太さには自信があるわたしでも、心が折れることはある。”悪意”に殴りつけられて倒れ、"無神経"に踏みつけられて潰され、”失敗”に斬りつけられて血しぶきを上げ、ズタボロになって泣き呆けたことも、これまでに幾度となくあった。それでも立ち直ってこれたのは、誇り、自尊心のおかげだ。

 それをわたしに与えてくれた最たる人は、父だ。
 誰がなんと言おうとも、俺にとってお前は世界一美しくて、世界一賢くて、世界一素晴らしい娘なのだと、わたしを思い上がらせるほどに注いでくれたあの愛情がなければ、人と同じことができないはみ出した性格のわたしは、途中でにっちもさっちもいかなくなっていたのではないかと思う。わたしが自分らしさを抑え込まずに生きてこれたのは、そこを愛してくれた父がいたからに他ならない。
 16歳のとき父が病死して本当の世間が見えて、自分が世界一美しくもなく世界一賢くもないと知って(これ結構な衝撃だった。笑)からも、わたしには父の思いを裏切ってはいけないという気持ちがいつでもあった。悪いこともしたし失敗もしたし情けないことばかりの日々だったけれど、そうしてどん底に落ちるたび、このままでは父が悲しむという思いが、わたしを這い上がらせた。
 こんな大人になった(父の享年を越えた)今でも、わたしはすっ転ぶたびに心の中で「パパごめん、ちょっと待ってて!」と父に言う。そうして歯を食いしばって立ち直る。

……深夜にとんだファザコン記事を書いてしまった。来週父の誕生日だなーと考えていたせいだろう。
 ちなみにずーっとこの調子なので、伯父叔母たちからは「これだからこやつは結婚できないのか」と思われているようだが、それは多分違う。全然違う。
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by etsu_okabe | 2012-09-29 02:00 | 日々のこと/エッセー