小説を書いたり、酒を飲んだり、恋をしたり|岡部えつ


by etsu_okabe

シャリアピン

 思い込みというのは恐ろしいものである。
 今宵わたしは夕餉にシャリアピンステーキをこしらえたのだが、レシピを確認しようとネット検索をしていて、ウン十年来「玉ねぎ」のフランス語だとばかり思っていた「シャリアピン」が、人の名前だということを知った。
 さらに、玉ねぎのみじん切りソースがかかってさえいればそれがシャリアピンステーキだ、と思い込んでいたわたしがこれから作ろうとしていたものは、用意した肉がビーフではなくポークであること、肉をマリネする時間などない(空腹過ぎて)ことなどから、とても「シャリアピンステーキ」とは言えない代物であることが判明したのである(とはいえ、でき上がったものは今夜わたしが食べたかったもの「そのもの」であったので、大変美味しくいただいた)。
 ああそれにしても、パリの街角の八百屋で玉ねぎを指差して「そのシャリアピンちょうだい」などと言わなくて、本当に良かったなあ。パリ行ったことないけど。
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by etsu_okabe | 2012-12-26 21:42 | 日々のこと/エッセー