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小説家です|岡部えつ


by etsu_okabe

すっぴんで行こう!(眉は描くけどね!)

 40歳になったら化粧をやめようと思っていた。
 若い頃から肌質には恵まれて、どんな化粧品にもかぶれることがなく、化粧がいやになったこともない。むしろ、高校では化粧がしたくて演劇部に入ったくらい、化粧することは好きだった(演劇部の化粧はキレイになるためではなく、ババアになったり化け猫になったりするものだったけれど)。
 それでも40歳になったら化粧をやめようと思ったのは、歳をとるごとにゴテゴテと、乗らないファンデーションを無理矢理塗りつけるのをカッコ悪いと思うことと、身近にすっぴんでとっても素敵な60代の女性がいらしたからだ。
 それでもやはり、いきなりは抵抗がある。
 そこでまず、“休日だけノーファンデーション”を実行してみることにした。肌には日焼け止めクリームを塗ってそのまま、パウダーもはたかない。眉墨とアイラインとマスカラは施す。唇にもグロスはつける。
 最初は吉祥寺の中でだけ、これで過ごした。パルコのエスカレーターで壁の鏡の自分を見て「うお!」となること数回。
 で、先々週の週末、いよいよ吉祥寺を出て、友人と高円寺に出かけた。
「顔色悪いよ」「なんかいつもと違〜う」「きゃ〜っはっは、どうしたの!?」
 色んな反応を期待したのだが、友人はとうとう最後まで何も言わなかった。そこまで視力が悪いのか。いや、気づいたけれど気を遣ってくれたのか。いやいやそんなやつじゃない、もしやあまりのことに絶句したか。それともあたしの顔、見てない?
 本当のところはどうなのか、いまだに友人には問いただしていない。
 さて先週末は勇気をふりしぼり、ノーファンデーションで美容院にでかけた。鏡だらけの場所である。ところが、全く「うお!」とならなかった。要するに、慣れたのだ。
 新宿進出も、近い気がする。
by etsu_okabe | 2005-03-30 00:16 | 日々のこと/エッセー