小説を書いたり、酒を飲んだり、恋をしたり|岡部えつ


by etsu_okabe

バイト料はちゃんともらえたかな?

 小学生のとき出されたテスト問題で、忘れられないものがある。

「職業に貴賤はありますか?」

“貴賤”などという難しい単語が使われていたかどうかは定かでは無い。出されたテストの教科も忘れた。やっぱり「道徳」だったのかな。
 鼻もちならない“いい子ちゃん(げ〜)”だったわたしは、正解が「いいえ」であることは重々分かっていた。しかし一方で「売春とか、泥棒とか、いけない職業だって世の中にはあるよな」という考えが頭から離れない。で、答案用紙に何と書いたのかは全く覚えていない。

 中学生3人をホストとして働かせていたススキノのホストクラブ経営者らが、風営法違反で逮捕された。
 15歳の中学生たちは人買いにさらわれてきたわけではなく、求人雑誌を見て興味を持ち、年齢を偽って自ら応募してきた。彼らは年齢詐称の罪には問われないのだろうか? そのへんはニュース記事に書かれていない。
 もしこれがホストクラブではなく、近所の農園や新聞配達であれば問題なかったわけだ。児童福祉法やら何やらがあれこれあるのだろう。大体ホストは「酒を飲む」のが仕事みたいなもの。大いに問題あり、なのは分かる。
 しかしわたしは、職種が何であれ、年齢がいくつであれ、労働に興味を持ってそこに飛び込もうとした15歳を、悪いとは思わない。もちろん下心満載であることはよ〜く見えているが、それでもその15歳の男の子らしい欲望=お金が欲しい&女性にモテたい&酒が飲みたい&裏世界に足突っ込みたい、を、他の何の方法でもなく、労働でつかみ取ろうとしたところに、浅はかさと同時に気概も感じる。感じちゃダメ? 面接した経営者もそう感じて雇ってしまったのではなかろうかと思うのは、甘いか。

 以前、yamasakkiさんのブログ記事中にあった「小学校に“バイト”という教科をつくるべきだ」という一文に「そうだ!」と頷いたことがある。
 自分が社会人になってみると、学生時代に労働経験のあるものとないものとでは、その能力に大きな差があるのを知る。労働経験のない新卒者など、ポ〜っとしていてちっとも使い物にならないのだ。彼らにしてみても、この間までぬくぬく勉強だけしていて誉められていたところに突然社会に放り出され「さあ働け」と言われても、ポ〜っとしかなれまい。
 一方、バイト経験の豊富な人、特にファミレスなどでキツイ接客業を経験したことのある子は、色んな部分で即戦力になる。働くことがどういうことかを、よーく知っているからだ。
 たった数十日でも、競争の激しいホスト経験をした中学生君たちは、少なくともニートや引きこもりにはなるまい。きっといい労働者になるだろう。なって欲しい。(ハンサムだったのかな〜)
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by etsu_okabe | 2005-04-12 05:38 | 日々のこと/エッセー