小説を書いたり、酒を飲んだり、恋をしたり|岡部えつ


by etsu_okabe

トレンチコート

 10年以上、バーバリーのトレンチコートが欲しい欲しいと言い続けて、買えずにいる。
 洋服箪笥には、35年前に死んだ父の遺品であるバーバリーのトレンチコートが、処分できずに吊られている。レディースに仕立て直せないかと専門店に相談してみたこともあるが、そんな手間賃をかけるなら新品を買った方がいいと言われた。

 トレンチコートのルーツが軍服だというのを、最近知った。「トレンチ」とは、「塹壕」という意味だという。
 塹壕外套。と言われてしまうと、あまり着たくないような気にもなるが、しかし、やはりあのデザインは魅力的である。そう言えば子供の頃、戦争映画を観ていてナチスのコートをカッコイイと思っていたっけ。まあ、戦争というのはいつの時代でも、芸術的モチーフとしてのなんらかの力はあるものだ(もちろん、戦争反対ですけど)。

 考えてみると、「機能」をつきつめて生まれたデザインというのは、男の子が持つマシン系のモノへの偏愛と、女の子が持つ綺麗なモノへの偏愛の、交差点なのかもしれない。「美」という円交差。

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by etsu_okabe | 2014-03-27 22:26 | 日々のこと/エッセー