小説を書いたり、酒を飲んだり、恋をしたり|岡部えつ


by etsu_okabe

内角をえぐるように打つべし!

a0013420_322458.jpg週末、風邪で寝込んでいる間「あしたのジョー」一気読みを敢行。

幼少のみぎり、女子は鮎原こづえ(アタックNo.1)、男子はジョーの<ミーナ>をみ〜んな履いてた(鮎原及びミーナを知らない人は知ったかぶりをしておきなさい)。
ジョーの良さ、当時は全然分からなかったけど、後に寺山修司が心の恋人になったとき、かつて彼が力石徹の葬儀を上げたというエピソードを思い出して全巻揃えて読んで以来、ジョー。
なんかもう思い出しただけで泣けてくる、ジョーの生き方。力石の執念。紀子の選択。西の決断。段平の思い。ああそして、葉子の愛......。

数年に一度読むごとに、感情移入するキャラクターが変わるけど、今回は断然「矢吹丈」だった。ジョー、ジョー!

この漫画で一番かっこよくてクールなのは力石であって、主役のジョーではない。
ジョーはお調子者で、おしゃべりで、嘘つきだし、友達はいないし、わがままだしで、いいとこなんかない。
が。一度ボクシングというステージに立てば、そのアクタレ全てが竜巻に巻き込まれるようにして昇華され、『相手を倒す』という一点に向かってもの凄いスピードで噴き上がっていく。
読者はそれに気持ちよく引きずり込まれる。

力石との死闘の第一部ももちろんいいけれど、わたしは今回、その後の物語(対カーロス・リベラ〜ホセ・メンドーサ)にのめりこんだ。わたしが最近自問しているテーマ、

<わたしらしい生き方って何?>

の答えを、ジョーが体現してくれているように思えたからだ。
世間が「幸せ」と定義しているものと、本当に自分が望んでいること、そのギャップを無理矢理埋め合わそうとなどしない、いさぎいい生き方。

真っ白い、灰になる生き方。

読んでないヤツには「読め!」とは言わないけど「読んでみたら?」くらいは言いたい。押しつけたいくらい好きな漫画なのよ、ホント。
[PR]
by etsu_okabe | 2005-12-14 03:23 | 日々のこと/エッセー