小説を書いたり、酒を飲んだり、恋をしたり|岡部えつ


by etsu_okabe

冬の空

a0013420_2375191.jpg「ほら、オリオン座!」
 酔っ払って真夜中、下戸の友人がわたしの世話を焼きながら夜空を指差す。
 もう二十年近く前の話だけど、そのたびに「どれ、どれ?」と、酩酊しながらも確認したせいで、わたしは今でもオリオン座だけは分かるのです。
 冬の夜空。
 今夜もオリオン座を確認しながら帰ります。
「ほら、オリオン座!」
 心の中で指差してつぶやくと、何故だか元気になるのです。
 わたしが泣こうがわめこうが、気の遠くなるような彼方でひっそりと浮かぶ星がある。
 そう思っただけで、自分がちっぽけな頼りない存在に思えて、何かにどっぷり甘えているような、心地よい気分になるのです。
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by etsu_okabe | 2006-01-26 23:09 | 日々のこと/エッセー