小説を書いたり、酒を飲んだり、恋をしたり|岡部えつ


by etsu_okabe

エラくてスゴいやつ

 人を哀れんで褒め殺す、という手法がある。
 こっちはプライドを持ってある程度の満足感の中暮らしているのに、
「学歴もないのに自力で一生懸命勉強して一人前になって、小さな企業なのに頑張って働いて、いい歳なのに木造アパートで慎ましく暮らしているあなたって、本当に素晴らしい人物だわ」
 とまあ、こういう手法だ。
 ちょっと大袈裟に書いたが、実際こういう言い方をされて腰を砕かれたことが、何度かある。尊敬もしてない人間の価値観で勝手に自分を測られて見下されるというのは、本当に胸くそ悪い。

 高校生の頃、心酔していた忌野清志郎の名言『才能のないやつは大学に行けばいいのさ』には、心底しびれた。
 今でも「ほんとにそうだ」と思う。正確には『そこに行かなきゃできない学問を目指すやつと、才能のないやつが、大学に行けばいいのさ』なのだが、本気でそう思っているし、いい大学を出ているからこの人はエライとかスゴイなんて、ただの一度も思ったことはない。
 大企業に所属していればスゴイのか? ノン。
 都心で夜景を見下ろす部屋に住んでいればエライのか? ノン。

 エライことをしたやつがエライのであり、スゴイことをしたやつがスゴイのだ。

 人のプライドを“哀れむ”ことで汚し、その上“褒める”ことでズタズタに引きちぎって優越感に浸るような最低なやつとは、二度と会いたくない。バイバ〜イ。
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by etsu_okabe | 2006-02-08 01:50 | 日々のこと/エッセー