小説を書いたり、酒を飲んだり、恋をしたり|岡部えつ


by etsu_okabe

遊び上手

 昨年12月に職場が変わってから仕事も会社も面白くて仕方ないのだが、ただひとつ問題なのがとにかく忙し過ぎること。
 メインの仕事はWEB制作で、常に納期に追われる仕事だ。そんなことは重々分かって入った。それにしても。いくらなんでも毎晩23時過ぎというのはどうだろうか。週に2日午前様というのはどうだろうか。
 しかもわたしは友人と独立を目論んでおり、その準備や依頼されたお仕事などもこなさなければならないわけだが、平日はこのザマで疲弊しきって何もできないので、必然的に独立仕事は土日でこなす日々。
 というわけで、わたしは昨年12月から、丸々ホンモノの「休日」を、ただの一日もとっていなかった。

 溜まりに溜まった疲労は、すぐに悲鳴を上げた。
 昨年末、仕事納めのその日、深夜の職場で視界に光が走ってモニタが見れなくなり、その数分後、激しい頭痛に襲われた。翌日駆け込んだ脳外科で撮ったCTでは異常なし。医者からは「典型的な偏頭痛」とタイコ判を押された。
 それをきっかけに、背中じゅうが鋼鉄を背負ったように固くなった。肩こり、首こりだ。職場を変わってから、せっかく続けていたヨガ教室に全く行けなくなってしまったことも、こりを悪化させた原因のひとつであろう。ここのところ、運動らしい運動を全くしていない。
 このままロボットになってしまうのではないかと思うほど、固く重たい身体を引き摺ったまま、それでもわたしは生活を改めようとしなかった。
 3月に入ってついに首から肩にかけて痛みが走るようになり、仕事帰り深夜営業のマッサージサロンに駆け込んだ。意外なことに、最も凝りの酷いのは「腰」だと言われた。
 マッサージでなんとかなだめながら、仕事を続けた。ヤバいと思いながらも、追って来る仕事を投げ出すことができない。結局その数日後、胃痙攣と嘔吐で苦しむハメになった。
 そんな中先週末、エステティックサロンの取材仕事が入った。体験取材なのでモデルを用意していたが、ドタキャンをくらって急遽わたし自身がモデルをつとめることになった。
 仕事とはいえ、フルコースの全身オイルマッサージ。極楽な2時間だった。そしてそこでも「腰が異常に張っている」と言われてしまう。

-------腰はヤバい。数年前、似たような状況で最終的にわたしが当時の仕事から逃げ出したきっかけは「腰痛」だった。
 今よりもヒドい忙しさだったが、何せ若かったので無理がきいた。それがあだとなり、気づいたときにはどうにもならなくなって病院送りの顛末。腰に鍼を打たれながら、「バカバカしい。こんな生活やーめた!」と、正しい選択をしたのだった。


 翌日の土曜日。
 わたしはふと、この日は何が何でも「遊ぼう」と思い立った。「Macの前に5分以上座らない」と決め、出かける予定を立てた。
 明け方まで仕事をしたので本当は午後まで寝ていたいところを、目覚ましをかけて昼前に起き、午後は新宿御苑へ花見。夕方は知人が出るお芝居を観に行き、夜はいきつけのバーで友人と酒盛り。久しぶりに、休日らしい休日を思う存分過ごした。
 すると翌日曜日。睡眠時間は短かったはずなのに、なぜか気分が爽快だった。あれほど辛かった首こり肩こりも、心なしか軽くなっている気がする。そしてなにより、気持ちが晴れ晴れと明るい。特に何をしたわけでもない。前日思い切り遊んだだけなのに。

 実はこの数ヶ月、疲れを癒すためだと、土日は睡眠をとる努力ばかりしていた。週末仕事は自宅にこもるので、時間は自由だ。だから作業時間以外は1分でも長くベッドにいて、なるたけたっぷり睡眠をとろうと考えていた。それが身体を癒す最善策だと信じていたのだ。
 しかし、今回のことでよく分かった。身体ばっかり癒しても、疲れはとれない。心も癒さなければ、人は元気になれないのだ。

・どんなに「好き」なことでも、仕事は仕事。仕事はストレス。
・睡眠は、身体を癒しても心は癒さない。
・多少無理をしてでも存分に遊べば、心は癒える。

 やりたいことばかり優先させて、すっかり遊びべたな野暮な大人になってしまっていた自分を深く反省。これからは、上手に遊ぶぞ!!
[PR]
by etsu_okabe | 2006-04-05 00:32 | 日々のこと/エッセー