小説を書いたり、酒を飲んだり、恋をしたり|岡部えつ


by etsu_okabe

女が選んでいるんだよ

 無理矢理レイプされたのでなければ、合意の同衾である。しかし、合意だからといって相思相愛というわけでもない。

 というような一夜があったとしよう。あくまでも想定のお話、詮索はしないように(このブログ、親類縁者に見つかってしまい、ヒジョーに書きにくくなった。笑)。

「俺、彼女いるんだ。知ってたでしょ?」
 ことが終ったあとに告白する野暮天。
 そんなこと聞いてないぞ、と言い返してやりたいが、女の方も実は大抵そのことを察しながら押し倒されているので、黙るしかない。「恋人います宣言」を高らかにされたあとで抱きつかれるよりはナンボかましか、などとつまらぬ比較で慰めたりして。
 さて、問題はそのあとだ。
 裸の肌をあちこち密着させたまままどろみながら、男はやたらと「彼女の話」をする。恋人への“懺悔タイム”だ。20代だったらゲンコでぶっ飛ばすところを、「怒り」などとうに越え「アホらしい」を軽くいなして「可愛い」と笑えてしまうのだから、大人になるというのは面白い。もちろん、男を小馬鹿にしているのだが。
 しかしその上、
「男っていうのはさあ、少しでも多く自分の子孫を残すためにあちこち種をまくのが本能なんだよな」
 などという語りが入ると、さすがに萎える。後悔させてくれるなと、拝みたくなる。
 こと性愛に関しては男はバカだというけれど、本当にそうかもしれない。
 男の性には「征服欲」があるという。それは女の特権である恍惚感にも匹敵するほどの快感であるらしい。それを満足させるために、男の思考はあくまでも「セックスとは、男が攻めて陥落させ、我がモノにした女を自由にすること」というふうに働くようだが(もちろんそうじゃない男性もいるのは知っている)、それは違う。

 少しでも多くの“いい子孫”を残すために、女が男を“選んでいる”。これがセックスの正体だ。
 
 やたらと種をまきたがる男たちの中から、女がちゃんと「選別」を行っているから、世界はここまで発展したのだとまで言わせてもらおうじゃないか。ま、わたしはまだ一人も残してませんけどもね。

 男たちよ。好きな女がいるのに他に気持ちが奪われることを後ろめたく思うのは「良心」かも知れないが、その呵責にさいなまれるなんておこがましいことだということを覚えておきなさい。
 あなたが他の女に心を奪われようが肉欲を奪われようが、起きたことは「俺がしちゃったこと」ではなく、相手の女に「選ばれた」ことなのだから、「やられた!」とでも思っていればいいのです。

 てなことを、大人の女は考えている。覚えておくと、一歩“いい男”に近づけるかもしれないし、近づけないかもしれない。それはあなた次第。
 こんなことを書くと、大人の女は皆、愛情のないセックスでも平気でできてしまうドライな動物のように思われてしまうかもしれないが、わたしのような情の深い大人は肉欲のあとに愛情が育ってしまう場合もあるので(大いにあるので!)非常にややこしい。ということも覚えておくと良いでしょう。ふっふっふ。
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by etsu_okabe | 2006-05-06 11:34 | 日々のこと/エッセー