小説を書いたり、酒を飲んだり、恋をしたり|岡部えつ


by etsu_okabe

「友だち」か「知り合い」か

 敬愛する故中島らも氏の「微笑家族」から、痺れる一節を。

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「冷たいこと言うなよ、友だちだろ」というようなことを言う人は、たいていただの「知り合い」である。
 ピンチのときには絶対電話してこないのが「友だち」で、すぐに助けを求めてくるのが「知り合い」。
 こういう目で見ると、思っているより「友だち」は少ないことに気づく。
(「微少家族」のコラム「自炊ズ・カマボコ」より抜粋)

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 非常に乱暴に「友情」と名付けた要求をつきつけてくる人がいる。そんなヤツはもちろん「友だち」ではないはずだ。ところが、人はそのニセ友に簡単に振り回されてしまう。
 わたしもこれまでそうした「友情」に丸め込まれて、法外に高級な下着を買ったり、生命保険に入ったり、出たくもないパーティーに参加したりと、大変な時間と財産の無駄使いをしてきた。思い出すだけで、悲しい気持ちになる。
 もちろん、わたしにそんな浪費をさせた人たちとは、今では賀状のやりとりさえない。

 以前にも書いたが、わたしは「友だち」とは「作る」ものではなく「なる」ものだと思っている。知り合った二人がお互いに惹かれ、相手を知ろうとし、自分を知って欲しいと願い、様々なものを少しづつ分かち合って「なっていく」。それが、友だち。
「あたしたち、友だちだよね」
 などと確認するものでもないし、「友だちだから」という理由で頼り合うものでもない。

「こいつのためなら、自分の時間を使って何かをしてあげたい」
 そう思えるのが、本物の友だち。そんな宝もののような友だちが、わたしにはいる。
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by etsu_okabe | 2004-08-24 07:40 | 日々のこと/エッセー