小説を書いたり、酒を飲んだり、恋をしたり|岡部えつ


by etsu_okabe

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怪談列島ニッポン

a0013420_20572061.jpg 2月25日発売の怪談列島ニッポン(MF文庫ダ・ヴィンチ )が届きました。
 沖縄から北海道まで、日本のさまざまな「土地」にまつわる怪しい物語のオムニバスです。
 今、ちょうど真ん中くらいまで読んだところですが、それぞれの作家さんたちの味、匂い、手触りが存分に楽しめ、また色々な「怖い」に出会えるお得な一冊だと思います。

 わたくし岡部えつは、巻末の「幽・文庫通信」に、エッセイ「怖エロ怪談執筆中」を書かせていただきました。次から次へと怖い話がてんこもりのこの本の中で、ほっとひと息つける一頁となっております。。。
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by etsu_okabe | 2009-02-23 21:16 | 小説関連の活動など

だから捨てました

 テレビを捨てて、4年になる。
 観たいものがあるわけでもないのについ点けたテレビで、たまたま放送していた面白くもない番組(主観ですよ)を、気がつけば数時間もぼけーっと観てしまう。スイッチオフしたあと、しーんとなった部屋の中で、時計を見てがっくりと後悔するときの虚しさときたら。
 かつて「一億総白痴」いう言葉でテレビ批判をした人がいたが、わたしはまさにこのとき、己の白痴化に怯えてテレビを捨てた。

 Wikiに「一億総白痴化」という項目があったので読んでみると、1957年にこの発言をした大宅壮一は、バラエティ番組で「出演者が早慶戦で慶應側の応援席に入って早稲田の応援旗を振り、大変な騒ぎになって摘み出される」というシーンを見て「アホか」と呆れ返り、一億総白痴の言葉に繋がったという。
 それだ。わたしを激しく後悔させるのも、その手の番組だ。芸で「笑わせる」のではなく、奇異な行為や己の無知を晒して「笑われる」だけの番組。
 50年経った今も同様の番組が作られ、垂れ流されているということに驚いてしまう。

 わたしは何も、バラエティやお笑い番組を全否定しているわけではない。それどころか、いずれもわたしには必要なものだ。

 数年前、会社員としてデザインの仕事をしていたとき、毎日終電で帰って始発で出社、土日も出勤、などという馬鹿馬鹿しい働き方をしたことがある。そんな身も心もボロボロだったわたしを生き返らせてくれたのは、「ごっつええ感じ」のビデオだった。
 そのあと勤めたWEB制作会社でも、毎晩午前様帰宅で腸炎を起こしながら働くという過酷な生活の中、崩れそうなわたしを助けてくれたのは「笑う犬」のDVDだった。
 ふらふらで家にたどり着き、倒れるようにベッドに入る。本当は1分でも長く眠りたいはずなのに、それらのビデオ・DVDを観なければ、わたしは眠ることができなかった。恋人の抱擁よりも、そちらの方がわたしを眠らせてくれた。
 笑うことで、張りつめた緊張をほぐしていたのだと思う。そうしていなければ、わたしの神経はいつかぷっつりと切れていただろう。あのとき過労死もうつ病自殺もせず、その一歩手前で正気を保ちとどまれたのは、あの二つのお笑い番組のお陰だとわたしは思っている。
 だから今でもわたしは、心が疲れると、笑わせてくれるテレビ番組を観たいと思うのだ。
 ところが、たまに実家に帰って最近のお笑い番組を見ても、爆笑しているのはテレビの中の観客だけで、こちらはちっとも笑えない。それでもぼけーっと最後まで見てしまい、またしても虚しい後悔に襲われる。
 しかたがないので最近のわたしは、もう何度も見たはずのキャシー塚本(ごっつええ)や小須田部長(笑う犬)を見て、ささくれた心を癒している。もう、この頃のダウンタウンとウッチャンがいればいいかなとも思うが、それも寂しい。
 あんなふうにわたしを救ってくれる新しい「笑い」の番組、ないだろうか。

 まあでも、あったとしても、やっぱりテレビは置かない。
 わたしに「ぼけーっと数時間の後悔」をさせる番組がそこにある限り、「面白くなければスイッチを切る」という意志を貫くことができないわたしには、テレビは持ってはいけないモノなのだ。
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by etsu_okabe | 2009-02-15 23:57 | 日々のこと/エッセー

島さがし

 昨年のクリスマス、元タレントの30代の女性が自宅マンションで孤独死しているのが見つかったというニュースを聞いたとき、ひとごとではないと思った独居女性はたくさんいるだろう。
 わたしもその一人だ。
 実家は徒歩30分の場所にあるが、一週間くらい連絡しないことなどしょっちゅうだし、仕事はフリーランスなので、無断欠勤を不審に思って探しにきてくれる同僚もいない。

 一人で死ぬことを寂しいとも怖いとも思わないが、家族や友人がすぐそばにいる場所で死んでしばらく気づかれず、数日経って発見されるなんていうのは、あとで世間からどれだけ哀れまれるかと思うと、やはり避けたい。
 わたしが夢に見るのは、どこか遠い、わたしのことを知る人が誰もいない南の島から船を出し、かんかんに照りつける太陽の下で、ため息が出るような美しい空と海を見ながら大好きなお酒を飲んで眠り、そのまま腐って海に溶けていく、という最期だ。
 誰にも気づかれず、ひっそりと地球の一部に戻っていく自分を想像すると、ちょっとうっとりしてしまう。寿命が分かっているなら、本当にこうしたい。

 わたしは今、煮詰まっては「最期の島さがし」のネットサーフィンばかりしている。
 自殺願望はまるっきり無い。

 ああ、旅に出たい。


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本日、深夜24時43分からテレビ東京系列で放送される番組「しょこリータ」のテーマは「ホラリータナイト」。「幽」編集長・東さんをはじめ幽関係の作家さんたちが出演され、怖いお話を語ります。ご興味のあるかたは、ぜひご覧になってみてください! トイレにいけなくなりますよ♪
先週の前編を見て、わたしは実家に泊まりました。
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by etsu_okabe | 2009-02-04 20:34 | 日々のこと/エッセー