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小説を書いたり、酒を飲んだり、恋をしたり|岡部えつ


by etsu_okabe

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a0013420_10371016.jpg 大大大好きな彼ら、リトルキヨシトミニマム!gnk!が、満を持してのメジャーデビュー!
 そのレコ初ライブが明日12月3日、<下北沢CLUB Que>で行われる。

 昨年末、わたしはデビュー単行本「枯骨の恋」の執筆中、彼らはこのアルバム「ほんとう」の曲作りのまっ最中というときに、ライブハウスで会ったとき、
「わたし、あと●●●枚分、書かなきゃいけないの」
「俺たち、あと●●曲っす」
「わあ、競争だ。お互い頑張ろうね!」
 こんな会話を交わした覚えがある。
 余裕の笑顔でいる彼らを、心の中で「いいな~、あなたたちって二人でー」と羨みながら、負けてらんないぞと鉢巻を締め直したのだった。
 これからますます大活躍するであろう彼ら、ほんとに、負けてらんないっ!

 リトルキヨシトミニマム!gnk!オフィシャルサイトはこちら⇒2-peace
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by etsu_okabe | 2009-12-02 10:57 | 音・詩のこと

あれから、一年

 どんよ~り曇った日だった気がする。いや、心がどんよ~りしていただけで、実際は晴れていたのかも。いやいや、どしゃ降りの雨模様だったんじゃなかったか・・・・・・。
 とにかく、重た~~~~~い日だった。去年の12月2日。メディアファクトリーの編集者さんと東雅夫編集長に、吉祥寺で初めてお会いした日だ。
 11月11日の「幽・怪談文学賞」受賞発表以来、明日目覚めたら「あれ、うっそ~ん!」などと言われるのではなかろうかと心落ち着かない日々を過ごしていたわたしは、早くどなたかにお会いして「本当の本当に受賞したのだ」とか、「本を出させてもらえるのだ」とか、そういう具体的なことをはっきりと確認したくて、しかたなかった。だからそれは、待ちに待った日ではあったのだ。
 しかし。どういうわけか、どんよ~りしていた。
 ああ、憧れの東さんにお会いできるというのに、なんでこんなに塞いでいるんだ・・・・・・。

 余談だが、「幻想文学」の印象から勝手に「白髪のおじいちゃま」だと思い込んでいた東さんの、麗しき真実のお姿を知ったのは数年前の新宿の酒場だった。それは実物ではなく、ポートレイト。
 ヤスケン師匠つながりで知り合いだったライター&編集者&写真家のタカザワ氏(bk1怪談大賞でお馴染み)の、写真作品ファイルの中にそれはあった。何十枚とある中で、キラリンッと光っていた。あまりの男前ぶりに思わずページをめくる手を止め、見とれていると、
「それ、東雅夫さんですよ」
 なんですとー!
 怪談なんて書いたこともないわたしがあの賞に応募した理由のうち、●●パーセントくらいはあの写真のせいだったりして・・・・・・うぉっほん。ま、世の中ほとんどの動機は不純っすよね。
 とはいえ、作品は七転八倒しながら文字通り身を削って書いた。真剣勝負だった。これが引っかからなかったら、もう本当にダメかも、という気持ちで応募した。そこんとこは大いばりで純粋。

 閑話休題。
 どんよ~りの上に緊張もしているわたしを、編集Kさん、Rさん、そして東さんが、どどーんと囲んでの打ち合わせが始まった。初対面の人に3対1で対峙する、もうそれだけで緊張はピーク。
 そのせいか、何をお話したかよく覚えていない。単行本制作のスケジュールや授賞式のことなど、初めてのことだらけで頭が消化できず、ぽーっとなっていたのだと思う。選考会の様子や次号「幽」の話題など、楽しい雑談も断片的にしか覚えていない。3人のお話が弾めば弾むほど、わたしは一人遠く離れていくような気がしてならなかった。

 その日の夜、家に帰る道すがら、なんとも言えない心細さに涙が溢れて止まらなくなった。
 『ぴええええん、恐いよおおお』
 泣きながら、心で叫んでいた。
 何十年もの間、誰に請われることもなく駄文を書き散らし、お金を払ってそれを人に読んでいただき、メタクソにこき下ろされてそれでもまた書き続ける。そんなことを繰り返してきたのだ。
 生まれて初めて人様から「書いてください」と依頼され、完全にビビッてしまった。わたしったら、意外とチキン。朝からの「どんよ~り」は、この不安感のせいだったのか。

 しかし、いくら泣いても、もちろん誰も助けてはくれない。
 ああ、バンドだったらよかったのに。小説はたった一人でしか書けないのだ。でも、だからこそわたしは小説を書くことが好きなのだった。そうだ、そうだったんじゃん!!
 そこからむらむらむら~っと立ち直り、半年前の応募作執筆時よりもずっと苦しい七転八倒が始まった。苦しくても、辛くはなかった。よれよれになりながらも、楽しかった。肌は荒れ、体重は3キロ近く増えたがキャピキャピ過ごしていた。
 そして6月、子供の頃からの夢が、ひとつ叶った。わたしの書いた小説が、本になって書店に並んだ。

 どんよ~り、から始まった作家活動。あの日からちょうど、一年が経つ。
 「幽」怪談文学賞からは、今年も新鋭が生まれ出た。ぼやぼやしてはいられない。わたしはまだ、たったひとつの夢を叶えたに過ぎないのだから。

■受賞者の皆様には、心よりお祝い申し上げます。
 今年は賑々しくて、いいですね!
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by etsu_okabe | 2009-12-02 01:45 | 小説関連の活動など