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小説を書いたり、酒を飲んだり、恋をしたり|岡部えつ


by etsu_okabe

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 クローズアップ現代「あしたが見えない~深刻化する“若年女性”の貧困~」を見た。

 紹介された事例のうち、とりわけ、シングルマザーたちが働く「寮付き・食事付き・託児所付き」の風俗店のレポートに、背筋が寒くなった。
 一見良心的なようだが、いったん入ってしまえば、このシステムは彼女たちの大きな足枷となるだろう。なぜなら、この仕事を辞めるということは、同時に「家」と「食べ物」と「子供を預ける場所」を失うことになるからだ。

 特に「家」は、あらたに借りるためにどれだけの金と条件が必要か、一度でも経験したことのある人ならわかるはずだ。
 生活保護を申請しても通らず、やむなくこの底辺中の底辺である性産業に生活全てを委ねることになった彼女たちが、ここを辞めたとたんにホームレスに転落することは、目に見えている。

 一度足を踏み入れたら二度と這い上がれない蟻地獄を、わたしは想像してしまった。

 「社会保障の敗北」という言葉が使われていたが、まさにそうだと思う。
 そしてそれは、わたしの身にも確実に降りかかってくる。
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by etsu_okabe | 2014-01-29 09:41 | 日々のこと/エッセー

火の用心

 恋は、鍋で湯を煮るのに似ている。

 ほどよくくつくつ煮えている湯は、恋慕の情。
 鍋の底でちろちろ燃えているのは、執着心や支配欲の火。

 火が強過ぎるとすぐに湯は減り、鍋は焦げついてしまう。
 かといって、火がなければ湯はあっという間に冷えきってしまう。

 ふと周りを見渡せば、そんな鍋がごろごろ打ち捨てられている。

 恋はいずれ終わる。
 最後の一滴が蒸発したとき、きっちり火も消そう。
 
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by etsu_okabe | 2014-01-23 20:30 | 日々のこと/エッセー
 男は、ふたつの(あるいはそれ以上の)場所を持ちたいと思っている。それは簡単に言うと「日常の世界」と「非日常の世界」だ。そしてそれぞれの場所に、別のパートナーを欲しいと思っている。思うだけでなく、実行している男も多い。

 さて、女は、どちらの場所のパートナーとなるのが幸福なのか。

 ところで女だって、ふたつの(あるいはそれ以上の)場所が欲しい。それは男と同じく「日常の世界」と「非日常の世界」だ。しかし、それぞれの場所のパートナーは、同じ人がいい。
 つまり、男はタイプの違う沢山の魅力的な女が欲しくて、女は多様な顔を持つ一人の有能な男が欲しいのだ。

 ここが、男女の間に流れる、深くて暗い川なのではなかろうか。
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by etsu_okabe | 2014-01-09 13:02 | 日々のこと/エッセー